日本のスポーツの代表格といえる野球に対するイメージは、今や大きく二分されています。マスメディアでは大谷翔平選手が活躍すると何度もホームランの映像を放映し大騒ぎ、一方でSNSなどネットの世界では野球批判の声のほうが大きい状況です。
会社員が「あいつ体育会系だから」と同僚のことを噂する場面があるとします。その時の「あいつ」は単に運動部の経験者というだけでなく、運動部的な上下関係や理不尽な命令にさえ耐える組織文化を許容する、ちょっと困った人というニュアンスが混じり込んでいないでしょうか。一方、「あいつ文化系だから」という場合は、身体を動かすよりも文学や映画、音楽など「文化的」なことを好むリベラルな人という、どちらかといえばポジティブなニュアンスがあります。
こうした「体育会系/文化系」という二分法は、さまざまな点で問題があると著者は指摘します。日本でもっともポピュラーなスポーツである「野球」を手がかりに、私たちが「スポーツ」や「運動」、あるいは「からだ」を、今までと違った見方で捉えるおもしろさを解き明かしていきます。
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